ライドシェアのここが駄目②「低所得化の負のスパイラル」
ライドシェア運転者は、個人事業主で社会保険も最低賃金も関係なし▽ガソリン代も保険も運転者の自腹▽海外の実例で、10年前は手数料20%⇒最近では売り上げの50~60%が手数料として引かれる。
こんな条件で働かされるのもイヤだし、こんな条件で働いてる人に命を預けるのもイヤでしょ。プラットフォーマーが手数料を上げてきても、労使交渉もできないんですよ。「個人事業主で労働者じゃないから」って。
どの国も最初だけはライドシェアドライバーの収入は良いんです。でもすぐに搾取されるだけの存在になります。例えば、2014年ニューヨークでタクシーからウーバードライバーに転身した人はこう語りました。
最初の1年は週に1500~2000ドル稼げたが、2年目からウーバー側の運賃値下げや手数料値上げ、ドライバーの増加によって収入が激減。2年間で最終的に運賃は35%引き下げられた。またウーバーは売上税をドライバーに払う金から違法に控除していた。
インドでは2015年の収入が2018年には4分の1になりました。日本のUberEatsも同じでしたよね
アメリカには約90万人のウーバーのドライバーがいるそうですが、毎月5万人ほどが入れ替わるそうです。それだけ定着率が低い。ちなみに日本のタクシー乗務員の平均勤続年数は10.8年。全自交組合員に限れば12.8年になります。
そもそも既得権益なんて攻撃されるけど、日本のタクシー乗務員の収入は低すぎるんです。年収は全産業平均と比べて135万円低く、男性の全産業平均と比べれば191万円安い。これのどこが既得権益なのか。
この現状でライドシェアが解禁されたらどうなるか。タクシーの運転者の賃金もライドシェアの運転者の賃金もドンドン下がる。時間当たりの収入が下がれば、働く時間を長くするしかありません。低賃金・過労・睡眠不足で運転する人の車にあなたは命を預けることができますか。
実際に、ライドシェアの導入により、生活苦となって自殺したタクシードライバーはニューヨークで8人、台湾で12人、オーストラリアで4人、世界中で相次いでいます。人の移動する権利を守るタクシードライバーの仕事の価値はそんなに安いものなのでしょうか。
世界中でタクシーの台数と運賃には国の規制がかかっています。無制限に台数を増やし、市場原理だけの価格競争を導入すれば、過当競争を招いて、運転者の健康や利用者の命、交通の安全が損なわれることがわかっているからです。ライドシェアで車を増やせばいいというのは短絡的すぎます。
Comments